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経口トリプタン製剤について
2010/02/01→2014/07.01更新

日本で使用可能な5種類のトリプタン製剤があります。
スマトリプタン(イミグラン)は、錠剤のほかに、点鼻薬、注射薬と自己注射が可能な注射薬の4種類があります。
ゾルミトリプタン(ゾーミック)とリザトリプタン(マクサルト)は、錠剤の他に水無しでも内服できる口腔剤があります。エレトリプタン(レルパックス)とナラトリプタン(アマージ)は錠剤のみとなっています。
このようにトリプタン製剤は、国内で5種類10製剤が販売されています、トリプタン製剤といっても、各々が同じというわけではありません。効果が強いものや弱いもの、副作用が強いものや弱いものなど様々です。また口腔錠も、ゾーミックはオレンジ味で携帯が便利です、マクサルトはミント味です。当院では患者様のニーズにあわせ、5種類9製剤を準備しています(現時点でゾーミック錠剤のみ常備していません)。
ここでは、経口トリプタン製剤について各々の特徴を示します。尚、詳細は薬剤の添付文書を参照してください。

【用量・用法について】

一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン レルパックス ゾーミック マクサルト アマージ
製品量50mg20mg2.5mg10mg2.5mg
海外製剤との比較2分の12分の1同じ同じ同じ
剤型錠剤錠剤錠剤/口腔錠錠剤/口腔錠錠剤
初回投与量1錠1錠1錠1錠1錠
追加投与量1錠1錠1錠1錠1錠
追加投与間隔2時間以上2時間以上2時間以上2時間以上4時間以上
1回最大投与量2錠2錠2錠1錠1錠
1日最大投与量4錠2錠4錠2錠2錠

(頭痛診療ハンドブック 鈴木則宏教授編集 中外医学社を改変)

スマトリプタンは、国内で最初に発売されたトリプタン製剤で、第一世代のトリプタン製剤という印象があり、エレトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタンの3製剤は第二世代、ナラトリプタンは第三世代とでもいうべき印象です。
この中で、スマトリプタンとエレトリプタンの2剤は、海外の半分の量で販売されています。日本国内の試験で、薬剤の量が決定され、海外量の半分量とされる薬剤があります。
一日に内服可能な量や追加投与までの時間が異なり、薬剤によって十分な注意が必要です。

【薬物動態について(薬剤の添付文書より)】

一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン レルパックス ゾーミック マクサルト アマージ
製品量50mg20mg2.5mg10mg2.5mg
用法・用量 成人1回50mg、
1日200mg以内

50mgで効果
不十分の時、
次回より100mg
投与可

追加投与間隔
2時間以上
成人1回20mg、
1日40mg以内

20mgで効果
不十分の時、
次回より40mg
投与可

追加投与間隔
2時間以上
成人1回2.5mg、
1日10mg以内

2.5mgで効果
不十分の時、
次回より5mg
投与可

追加投与間隔
2時間以上
成人1回10mg、
1日20mg以内

追加投与間隔
2時間以上
成人1回2.5mg、
1日5mg以内

追加投与間隔
4時間以上
最高血中濃度
到達時間(時間)
1.81錠3.00 RM2.98錠1.0 RPD1.32.68
血中半減期
(時間)
2.23.2錠2.40 RM2.90錠1.6 RPD1.75.05
脂溶性××
代謝酵素MAO-ACYP3A4CYP1A2
MAO-A
MAO-ACYP1A2など
複数のCYP
分子種

最高血中濃度到達時間が短いものは、短時間で効果が出ることが予想され、また血中半減期の長いものは、持続時間が長いことが予想されます。ナラトリプタンなどは血中半減期が他の4剤と比較して長く、追加投与する場合は4時間あける必要があります。

【片頭痛におけるトリプタン製剤の効果と副作用 53文献の分析から 】
(Ferrari MDらによる報告)

一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン レルパックス ゾーミック マクサルト アマージ
製品量50mg20mg2.5mg10mg2.5mg
2時間後
頭痛改善率(%)
62.748.963.568.648.6
2時間後
頭痛消失率(%)
28.716.429.140.122.4
24時間後の
継続頭痛消失率(%)
19.810.61925.315.9
2-24時間以内の
再発率(%)
27.828.430.336.921.4
副作用(%)7.81.915.913.52.4
中枢神経領域の
副作用(%)
3.72.69.99.41.9
胸部の副作用(%)1.9-0.321.50.4


これは、Ferrari MDらによる論文のデータを表とグラフとして示しました。各々の比較試験ではありませんので注意が必要です。各々のトリプタン製剤の傾向は理解できます。マクサルトやゾーミックは、比較的効果が高いのですが、その分、副作用も多いようです。イミグランは中間に位置します。レルパックスやアマージは、効果は若干劣るようですが、副作用は少ないようです。レルパックスは海外量の半分量であることがその理由と考えられます。アマージは、いわゆるジェントルトリプタンとしての意味合いが強いと考えられます。アマージは半減期が長いため、24時間以内の再発率は低いという傾向があります。

【各々の副作用について】

これは、各製品の添付文書から副作用を抜粋し表にしています。(一部内容を変更しています。)

一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン レルパックス ゾーミック マクサルト アマージ
製品量50mg20mg2.5mg10mg2.5mg
副作用
悪心・嘔吐 3.7%
痛み 2.6%
眠気 2.6%
倦怠感 1.8%
動悸 1.4%
めまい 1.3%
圧迫感 1.1%
めまい 4.1%
眠気 4.1%
嘔気3.3%
口内乾燥感 2.6%
疲労 2.5%
無力症 3.5%
絞扼感 3.5%
眠気 3.0%
めまい 2.6%
異常感覚 2.6%
眠気 7.7%
倦怠感 2.9%
めまい 2.2%
口渇 1.8%
脱力 1.5%
悪心 1.1%
感覚減退 1.1%
悪心 3.8%
嘔吐 2.3%
痛み 1.9%
眠気 1%未満
めまい 1%未満
倦怠感 1%未満

各々の薬剤からの添付文書から、副作用をみてみますと、頻度に差がありますが、眠気、脱力感、めまいなどの似通った副作用があります。

【各々の禁忌について】

これは、各製品の添付文書から禁忌を抜粋し表にしています。(一部内容を変更しています。)

一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
商品名 イミグラン レルパックス ゾーミック マクサルト アマージ
製品量50mg20mg2.5mg10mg2.5mg
禁忌①
共通
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある人
禁忌②
共通
心筋梗塞の既往歴のある患者,虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者,異型狭心症(冠動脈攣縮)のある人
禁忌③
共通
脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある人
禁忌④
共通
末梢血管障害を有する人
禁忌⑤
共通
コントロールされていない高血圧症の人
禁忌⑥
共通
エルゴタミン,エルゴタミン誘導体含有製剤,あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を内服中の人
禁忌⑦重篤な肝機能障害を有する人重篤な肝機能障害を有する人重篤な肝機能障害を有する人重度の肝機能
障害又は
重度の腎機能
障害のある人
禁忌⑧モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を内服中,あるいは内服中止2週間以内の人モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を内服中,あるいは内服中止2週間以内の人モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を内服中,あるいは内服中止2週間以内の人
禁忌⑨HIVプロテアーゼ阻害薬(リトナビル,インジナビル硫酸塩エタノール付加物,ネルフィナビルメシル酸塩)を投与中の人
禁忌⑩血液透析中の人
禁忌⑪プロプラノロール
を投与中の人
一般名 スマトリプタン エレトリプタン ゾルミトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
トリプタン製剤の選択と使用状況
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リザトリプタン半量投与の有効性
2010/08/01

リザトリプタン(マクサルト)は、1錠10mgです。
片頭痛発作にとても有効な薬剤です。しかし、効果はあっても、眠くなる、めまい、だるいなどの副作用が出現することがあります。

ケース1

患者様にリザトリプタン1錠10mgを投与しましたところ、効果があるけれども、副作用が強く、副作用の比較的弱いトリプタン製剤のレルパックスに変更しました。しかし、副作用は少ないのですが、効果の満足度は低いという結果でした。次にリザトリプタン半分量0.5錠(5mg)をお渡ししたところ、効果もあり、副作用もなく高い満足度が得られました。

ケース2

患者様には、リザトリプタン1錠10mgを投与しましたところ、効果があるけれども、副作用が強くて、自分で半分にして飲む工夫をされていました。

このような経験から、リザトリプタン(マクサルト)1錠10mgで加療し、効果があるが、副作用は強い患者様には、リザトリプタン0.5錠5mgを試していただいています。リザトリプタン0.5錠5mgで効果があり、副作用もなければ、高価なトリプタン製剤が半額ですむという経済的なメリットも生まれています。但し、経済的な理由から、0.5錠を投与することは差し控えています。
次に、これまでの公表されているデータから、リザトリプタン5mg投与と10mg投与との比較を示します。
海外のデータでは、5mgと10mgでは、効果や再発率などに差がみられ、効果の面から、10mg投与の有意性が示されています。一方、日本でのデータでは、5mg投与と10mg投与とでの差はほとんどみられません。この二つの報告を単純比較するわけにはいきませんが、日本での5mg投与のデータは、海外での10mg投与のデータに類似します。日本人は欧米人に比較すると体格も小さく、体重当たりの投与量を考えると、欧米での10mg投与が、日本人では5mg投与に近似するのかもしれません。

トリプタン製剤の効果(海外データ-Ferrari MDらによる報告から)


日本での後期第Ⅱ相試験結果


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スマトリプタン製剤(イミグラン)について
2010/04/01

スマトリプタン(イミグラン)は、最初に発売されたトリプタン製剤です。現在のトリプタン製剤の基本となっています。
スマトリプタン(イミグラン)は、錠剤のほかに、点鼻薬、注射薬と自己注射が可能な注射薬の4種類の製剤があり、患者様の症状や状態に応じていろいろな使用方法ができます。他のトリプタン製剤にはない注射薬と点鼻薬を備えている点が特徴です。
各々の特徴について表示します。

一般名 スマトリプタン
コハク酸塩錠
スマトリプタン
点鼻液
スマトリプタン
コハク酸塩注射液
商品名 イミグラン錠50 イミグラン点鼻液20 イミグランキット
皮下注3mg
製品量 50mg 20mg 3mg(0.5ml)
剤型
初回投与量 1錠 1容器 1A
追加投与量 1錠 1容器 1A
追加投与間隔 2時間以上 2時間以上 1時間以上
1回最大投与量 2錠 1容器 1A
1日最大投与量 4錠 2容器 2A
最高血中濃度
到達時間(時間)
1.8 1.3 0.18
血中半減期
(時間)
2.2 1.87 1.71
投与後の
血漿中濃度
頭痛改善率
(10分)
頭痛改善率
(15分)
9
頭痛改善率
(20分)
51.5
頭痛改善率
(30分)
7.1 20 75.8
頭痛改善率
(60分)
33.8 35 93.9
頭痛改善率
(90分)
47
頭痛改善率
(120分)
42 55
頭痛改善率
(180分)
65.2
頭痛改善率
(240分)
71.4

イミグランの注射薬と自己注射が可能な注射薬は、投与後血漿中濃度もほぼ同様であり、ここでは病院で使用するイミグラン注射薬は省略しています。イミグランの注射薬は効果発現までの時間が最も短いことが特徴です。
注射薬の場合、10分程度で改善がみられ、投与後30分の頭痛改善率は、上の表の赤字で示すような歴然とした差がみられます。そして2008年に自己注射が可能なイミグラン皮下注キットが発売され、群発頭痛やこれまでの治療で十分な効果が得られなかった片頭痛などの患者様に対して、在宅で自己治療が可能となりました。
また、イミグラン点鼻液は、嘔気が強いため薬剤の内服加療ができない患者様に有効です。また、鼻腔粘膜から約15%が吸収されます。このため、内服薬と比較して早期に効果をあげることができます。
そして、もう一つの特徴として、各々の成分が同一のため、次のような使い方が可能です。

イミグランの投与方法 投与間隔
イミグラン錠50→イミグラン錠50またはイミグラン点鼻液20またはイミグラン注3 2時間以上あける
イミグラン点鼻液20→イミグラン錠50またはイミグラン点鼻液20またはイミグラン注3 2時間以上あける
イミグラン注3→イミグラン錠50またはイミグラン点鼻液20またはイミグラン注3 1時間以上あける

このような使い方をされる場合は十分な説明と理解が必要です。また、イミグラン製剤と他のトリプタン製剤との投与間隔は24時間以上あけることが必要です。

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片頭痛の予防療法エビデンスサマリーと予防薬剤薬効群 2013
2013/06/01

慢性頭痛の診療ガイドライン2013(医学書院)より片頭痛の予防療法エビデンスサマリーと予防薬剤薬効群を一部改変し示します。

                     

【片頭痛の予防療法エビデンスサマリー】

                                                     
薬剤商品名
エビデンス
の質
科学的
根拠
臨床的
な印象
副作用
推奨
グレード
薬効の
グループ
推奨用量
抗てんかん薬
バルプロ酸デパケン・セレニカA++++++時々-頻繁A1400-600mg/日
トピラマートトピナA++++++時々-頻繁A150-200mg/日
ガバペンチンガバペンB++++時々-頻繁2
レベチラセタムイーケプラB??時々-頻繁2
抗うつ剤
アミトリプチリントリプタノールA++++++頻繁A110-60mg/日
ノリトリプチリンC?+++頻繁3
イミプラミンC?+頻繁3
クロミプラミンC?+頻繁3
トラドソンC?+時々-頻繁3
ミアンセリンテトラミドC?+時々-頻繁3
フルボキサミンデプロメールC?+時々3
パロキセチンパキシルC?+時々3
スルピリドC?+まれ3
デュロキセチンサインバルタC??時々3
fluoxetineB++時々2
β遮断薬
プロプラノロールインデラルA+++++まれ-時々A120-60mg/日
メトプロロールセロケンA+++++まれ-時々A240-120mg/日
アテノロールテノーミンB++++まれ-時々2
ナラドールナディックB++++まれ-時々2
timololA++++まれ-時々1
Ca拮抗剤
ロメリジンテラナス、ミグシスB+++まれB210-20mg/日
ベラパミルワソランB+++まれ-時々B280-240mg/日
ジルチアゼムC?++まれ-時々3
ニカルジピンペルジピンC+++まれ-時々3
flunarizineA+++++頻繁4
ACE阻害剤/ARB
カルデサルタンブロプレスB++まれB28-12mg/日
リシノプリルロンゲスB++時々B25-20mg/日
エナラプリルレニベースC??時々3
オルメサルタンオルメテックC??時々3
その他
ジヒドロエルゴタミンA++++時々B42-3mg/日
methysergideA++++++頻繁4
A型ボツリヌス菌
(急性期/慢性期)
B/A++?まれC/A2
feverfewB+++まれB2
マグネシウム製剤B++まれB2
ビタミンB2ハイボンB+++++まれB2
チザニジンテルネリンB++まれ2
melatoninC??まれC4
オランザピンジプレキサC??頻繁C4
                      

【片頭痛の予防薬剤薬効群】

Group 1
有効
Group 2
ある程度有効
Group 3
経験的に有効
Group 4
有効
副作用に注意
Group 5
無効
抗てんかん薬
バルプロ酸
トピラマート

β遮断薬
プロプラノロール
timolol

抗うつ剤
アミトリプチリン
抗てんかん薬
レベチラセタム
ガバペンチン

β遮断薬
メトプロロール
アテノロール
ナドロール

抗うつ剤
fluoxetine

Ca拮抗剤
ロメリジン
ベラパミル

ACE阻害剤/ARB
カルデサルタン
リシノプリル

その他
feverfew
マグネシウム製剤
ビタミンB2
チザニジン
A型ボツリヌス毒素
抗うつ剤
フルボキサミン
イミプラミン
ノルトリプチリン
パロキセチン
スルピリド
トラゾドン
ミアンセリン
デュロキセチン
クロミプラミン

Ca拮抗剤
ジルチアゼム
ニカルジピン

ACE阻害剤/ARB
エナラプリル
オルメサルタン
Ca拮抗剤
flunarizine

その他
methysergide
ジヒドロエルゴタミン
melatonin
オランザピン
抗てんかん薬
クロナゼパム
ラモトリギン
カルバマゼピン

Ca拮抗剤
ニフェジピン

β遮断薬
アセプトロール
ピンドロール
アルプレノロール
オキシプレノロール

その他
クロニジン
予防薬投与の適応と当院での使用状況
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片頭痛の予防薬
2010/09/01

片頭痛の予防薬について、もう少し詳しく説明します。

塩酸ロメリジン(テラナス、ミグシス)

塩酸ロメリジンは、日本で開発され片頭痛に対して保険適応があり、副作用が少なく 使用しやすい薬剤です。当院では、片頭痛の予防薬として第一選択として使用しています。
エビデンスレベルはgrade Bです。

【用法及び用量】
1回5mgを1日2回。1日投与量は10mgから20mgまでです。
【予防効果】
月に二回以上の発作がある片頭痛患者に対して、10mg/day投与すると、8週間後には、 64%の患者で片頭痛発作の頻度、程度が軽減したと報告されています。 また長期投与により予防効果に減弱はありません。片頭痛の前兆に対しても効果があります。
【作用機序】
片頭痛に対する作用機序として、当初は脳血管の収縮抑制作用がその主たる機序として 考えられていました。しかし、最近の研究により、脳血管壁における一酸化窒素の合成阻害作用、 5HT2受容体遮断作用、CSD(cortical spreading depression)の抑制効果、 神経細胞へのCa流入の抑制効果などが考えられています。
【副作用】
抑うつ(1%未満)、錐体外路症状、眠気、頭痛
【禁忌】
1)本剤に過敏症の既往のある人、2)頭蓋内出血のある人、3)脳梗塞急性期、4)妊婦

出典:脳と神経2009 p 1138、1111、今日の治療薬

バルプロ酸(デパケン、セレニカ)

バルプロ酸は、抗てんかん薬の一種です。欧米では片頭痛予防薬の第一選択として 使用されています。2011年に片頭痛に対して保険適応となりました。
エビデンスレベルはgrade Aです。

【用法及び用量】
1日投与量は500-600mgとされ、血中濃度が50μg/ml以下を目安にします。てんかん予防に使用する量よりもかなり少ない量です。
【予防効果】
神経細胞の興奮性を抑制する効果から片頭痛の予防効果を発揮すると考えられています。
【作用機序】
片頭痛に対する作用機序として、Naチャンネル抑制、Caチャンネル抑制、glutamate抑制、GABA賦活などが考えられています。
【副作用】
眠気、胸焼け、倦怠感、体重増加、肝機能障害など
【禁忌】
1)重篤な肝機能障害、2)カルバペネム系薬剤の併用、3)尿素サイクル異常症

アミトリプチリン(トリプタノール)

アミトリプチリンは、三環形抗うつ剤の一種です。欧米では片頭痛予防薬の第一選択として 使用されています。当院では、1)テラナスの効果がない場合、2)心因的な影響が考えられる場合 などに片頭痛の予防薬として、アミトリプチリンを使用しています。
エビデンスレベルはgrade Aです。2012年、片頭痛や緊張型頭痛に使用可能となりました。

【用法及び用量】
当科では、就寝前に1回10mg-25mgを投与しています。(抗うつ剤として使用される場合は 150mg-300mg使用されます。当科で片頭痛の予防薬として使用する場合は、 就寝前に1回5mg-25mgとかなり少ない量を用いています。)
【予防効果】
片頭痛の予防効果は、痛みの閾値を上昇させることにあると考えられています。
【作用機序】
作用機序として、脳内神経終末へノルアドレナリンやセロトニンの取り込みを阻害し、 抗コリン作用を有します。その他に、グルタミン酸NMDA受容体、Naチャンネル、 Caチャンネルに対して拮抗・遮断作用があるといわれています。
【副作用】
眠気、便秘、口渇、悪性症候群、セロトニン症候群、めまい
【禁忌】
1)緑内障、2)三環系抗うつ薬過敏症、3)心筋梗塞回復初期、4)尿閉(前立腺疾患など)、5)MAO阻害薬使用中

プロプラノロール(インデラル)

プロプラノロールは、βブロッカーの一種で、心疾患の薬剤です。日本では、トリプタン製剤のマクサルトとの併用が 禁忌となっています。
しかし、欧米ではマクサルトとの併用は使用禁忌にはなっておらず、マクサルトの使用量が 5mgと制限されています。
プロプラノロールは、妊婦の片頭痛予防に使用可能という最大の利点があります。
予防薬として使用する際には、トリプタン製剤の選択・使用に十分な注意を払い使用しています。
2012年に片頭痛に対して保険適応となりました。エビデンスレベルはgrade Aです。

                            

    【用法及び用量】
1日投与量は20-60mgとされます。
【予防効果】
片頭痛の前兆及びその後の頭痛の両方に効果があります。
【作用機序】
片頭痛に対する作用機序として、カテコールアミン系ニューロンに作用すると考えられています。
【副作用】
易疲労性、四肢冷感、消化器症状、徐脈、心不全、頭痛、めまい
【禁忌】
1)心不全、2)喘息、3)慢性閉塞性肺疾患、4)末梢血管疾患

トピラメート(トピナ)

トピラメートは、新しい抗てんかん薬です。すでに、欧米50ヶ国では片頭痛の予防薬として 使用され、2012年のAHS/AANのガイドラインではlevel Aとされています。
当院では、片頭痛の予防薬として塩酸ロメリジンを第一選択に使用していますが、 効果が十分でない場合、第二選択の一つとして、トピラメートを使用しています。
エビデンスレベルはgrade Bです。


【用法及び用量】
1回50mgを1日2回。1日投与量として100mg程度を目安に使用しています(2012年のAHS/AANでは25-200mg/day)。
当科では、副作用予防のため、25mg、50mg、75mg、100mgと漸増して使用しています。
【予防効果】
神経細胞の興奮性を抑制する効果から片頭痛の予防効果を発揮すると考えられています。長期効果も確認されています。
【作用機序】
片頭痛に対する作用機序として、電位依存性Naチャンネル抑制、L型Caチャンネル抑制、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸抑制、GABA-A受容体賦活、炭酸脱水酵素阻害などが考えられています。
【副作用】
傾眠、体重減少、めまい、しびれ

ARB

ARBは降圧剤です。若年者の片頭痛では高血圧を合併していることはほとんどありません。 しかし、年齢が上がってくると、高血圧や脂質異常などを併発する場合があります。 当院では、片頭痛に高血圧を併発している場合、片頭痛予防薬と降圧剤が必要な場合、 ARBを使用しています。
エビデンスレベルはgrade Bです。

【用法及び用量】
ARBのカルデサルタンはエビデンスレベルが高いとされています。他のARBでも同様の予防効果があると推測されています。
【作用機序】
片頭痛に対する作用機序として、片頭痛発作時の脳血管に生じる一酸化窒素の合成阻害作用や血管の酸化ストレスの防止によるものが考えられています。
【副作用】
頭痛、めまい、倦怠感、浮腫
【禁忌】
妊婦

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AHS/AAN Guideline 2012
2012/12/01-2013/02/01更新

2012年にAmerican Headache Society(AHS)(アメリカ頭痛学会)とAmerican Academy of Neurology(AAN)から、片頭痛の予防療法に関してガイドラインが更新されました。日本の慢性頭痛の診療ガイドラインはいくつかのガイドラインを基本に作成されており、片頭痛の予防療法に関して日本の慢性頭痛の診療ガイドラインも更新されていくと考えられます。
ここでは、片頭痛の予防療法に関する2012 AHS/AANのガイドラインを紹介し、その後に報告された2012 AHS/AANのガイドラインとカナダ、ヨーロッパのガイドラインの比較について言及します。
尚、薬剤名がカタカナ表記されているものは日本国内で販売されているものです。

日本で片頭痛に使用が認められているもの 日本では片頭痛の適正な使用方法として認められて
いないが日本国内で販売されているもの
                                                 
Classification of migraine preventive therapies (available in the United States)
Level A Level B Level C Level U Other
Medications with established efficacy(≧2 Class Ⅰ trials) Medications are probably effective(1 Class Ⅰor 2 Class Ⅱ studies) Medications are possibly effective(1 Class Ⅰ study) Inadequate or conflicting data to support or refute medication use Medications that are established as possibly or probably ineffective
抗てんかん薬
Divalproex sodium
バルプロ酸
トピラマート
ベータブロッカー
メトプロロール
プロプラノロール
Timolol a
トリプタン(MRM b)
Frovatriptan b
抗うつ剤
/SSRI/SNRI/TCA
アミトリプチリン
Venlafaxine
ベータブロッカー
アテノロール a
ナドロール a
トリプタン(MRM b)
ナラトリプタン b
ゾルミトリプタン b
ACE阻害薬
リシノプリル
アンギオテンシンⅡ
受容体拮抗薬
カルデサルタン
α-Agonists
クロニジン a
Guanfacacine a
抗てんかん薬
カルバマゼピン a
ベータブロッカー
Nebivolol
ピンドロール a
抗ヒスタミン剤
シプロヘプタジン
Crabonic anhydrase inhibitor
アセタゾルアミド
Antitrombotics
Acenocoumarol
Coumadin
Picotamide
抗うつ剤
/SSRI/SNRI
フルボキサミン a
Fluoxetine
抗てんかん薬
ガバペンチン
TCAs
Protriptyline a
ベータブロッカー
ビソプロロール a
Ca拮抗薬
ニカルジピン a
ニフェチジピン a
Nimodipine
ベラパミル
Direct vascula
smooth muscle
relaxants
Cyclandelate
Established as not effective
抗てんかん薬
ラモトリギン
Probably not effective
クロミフラ゚ミン a
Possibly not effective
アセブトロール a
クロナゼパム a
ナブメトン a
Oxcarbazepine
テルミサルタン

2000年のガイドラインでは、group1にされていたものは、アミトリプチリン、バルプロ酸、プロプラノロール、チモールの4剤でしたが、2012年のガイドラインでは Level Aにランクされたものは上記のようになっています。
アミトリプチリンは、group1から Level Bに降格されています。メトプロロールはgroup2から Level Aに昇格されています。
一方、これまで group2であったガバペンチン・ベラパミル・フルオキセチンは、Level Uに降格となりました。
次に2012 AHS/AANのガイドラインとカナダ、ヨーロッパのガイドラインの比較についての論文を紹介します。
先ず、3つの地域のうち2つの地域以上で用いられている薬剤で、ガイドラインのランクが一致したものを表示します。驚くことに、2012 AHS/AANのガイドラインでLevelAとされた薬剤の多くが、カナダやヨーロッパでも同じように評価されています。
アメリカで使用されていないフルナリジンはカナダやヨーロッパでは高い評価を受けています。日本ではフルナリジンは発売は中止され、塩酸ロメリジンが用いられています。                         

AHS/AAN GuidelinesCandian GuidelinesEFNS Guidelines
バルプロ酸Ahigh-qualityA
トピラマートAhigh-qualityA
プロプラノロールAhigh-qualityA
メトプロロールAhigh-qualityA
フルナリジンNot ratedhigh-qualityA
ナドロールBmoderate-qualityNot rated
ナプロキセンBNot ratedB
リシノプリルClow-qualityC
コエンザイム Q10Clow-qualityC

次に、3つの地域のうち2つの地域以上で用いられている薬剤で、ガイドラインのランクが一致しなかったものを表示します。
アミトリプチリンはカナダではhigh-quality-evidenceとされていますが、アメリカやヨーロッパでは Level Bと評価されています。                                

AHS/AAN GuidelinesCandian GuidelinesEFNS Guidelines
トリプタノールBhigh-qualityB
PetasitesAmoderate-qualityB
VenlafaxineBlow-qualityB
FeverfewBDo not useC
MagnesiumBlow-qualityC
リボフラビンBlow-qualityC
カルデサルタンCmoderate-qualityC
ビソプロロールUNot ratedB
ガバペンチンUmoderate-qualityC
アスピリンUNot ratedC

参考文献は下記のとおりです。

著者 タイトル
1 AAN/AHS Evidence-based guideline update: Pharmacologic treatment for episodic migraine prevention in adults.Neurology 78:1337-1345, 2012
2 Loder E The 2012 AHS/AAN Guidelines for Prevention of Episodic Migraine: A Summary and Comparison With Other Recent Clinical Practice Guidelines.
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バルプロ酸の片頭痛への保険適応
2011/10/01

2011年より片頭痛に対してバルプロ酸(デパケン・セレニカ)が保険適応となりました。 用法・用量は下記の如くです。

通常1日量バルプロ酸として400mg-800mgを1日2-3回にわけて経口投与する。 尚、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

さらに、2011年7月に日本頭痛学会よりバルプロ酸による片頭痛治療ガイドライン(暫定版)が出されましたので紹介します。

【バルプロ酸による片頭痛治療ガイドライン(暫定版)】

  1. 月に二回以上の頭痛発作がある片頭痛患者にバルプロ酸を投与すると 1ヵ月あたりの発作回数を減少させることが期待できる。
  2. 急性期治療薬が禁忌または無効あるいは乱用がある場合、永続的な神経障害をきたす おそれのある特殊な片頭痛にはバルプロ酸予防療法がすすめられる。
  3. 成人の場合、バルプロ酸400-600mg/日が勧められる。妊娠中、および妊娠中の可能性のある 女性には原則禁忌とする。
  4. バルプロ酸の血中濃度は、21-50μg/mlが至適と考えられる。
  5. 小児片頭痛におけるバルプロ酸投与は、生活支障度が高く他の薬剤が無効な場合、 脳波上にてんかん波がある片頭痛に限定し、かつ慎重に行うことが勧められる。
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プロプラノロールの片頭痛への保険適用について
2012/12/01

2012年より片頭痛に対してプロプラノロール(インデラル)が保険適用となりました。頭痛学会をはじめとした関係各位のご努力による賜物と考えられます。

引き続き、2012年11月に日本頭痛学会よりプロプラノロール(インデラル)による片頭痛治療ガイドライン(暫定版)が出されましたので紹介します。

【プロプラノロールによる片頭痛治療ガイドライン(暫定版)】

  1. 月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者にプロプラノロールを投与すると1カ月あたりの発作回数を減少させることが期待できる。
  2. 片頭痛発作が月2回以上あり、急性期治療のみでは、片頭痛発作により日常生活に支障がある場合、急性期治療薬が使用できない場合、永続的な神経障害をきたすおそれのある特殊な片頭痛にはプロプラノロールによる予防療法が行うよう勧められる。また、併存症に高血圧や冠動脈疾患、頻拍性不整脈がある場合は予防薬の第一選択薬として勧められる。
  3. 成人の場合、プロプラノロール20-30mg/日より投与をはじめ、効果が不十分な場合には60mg/日まで漸増し、1日2回あるいは3回に分割経口投与する。
  4. リザトリプタンとの併用は禁忌であることに注意が必要である。
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アミトリプチリン適応外使用について
2012/12/01

2012年にアミトリプチリン(トリプタノール)が、片頭痛と緊張型頭痛の治療に適応外使用が可能となりました。つまり、アミトリプチリンを片頭痛や緊張型頭痛の治療に使用してよいということです。
同時にチザニジン(テルネリン)が緊張型頭痛の治療に適応外使用が可能となりました。
これらは日本頭痛学会からの通知で情報を得ております。

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アセトアミノフェン(カロナール)の用量拡大について
2011/07/01

アセトアミノフェノンは、小児や妊婦・授乳をされている女性の片頭痛の第一選択薬として使用されてきました。
しかし、成人ではその効果があまりなく、患者様はアセトアミノフェノンの使用はあまり好まれませんでした。 ここには一つの原因があります。日本での使用用量が、今まで少なかったことです。アメリカや韓国では、アセトアミノフェノンの用量は、1回1000mg、1日4000mgでした。佐世保は米軍基地があり、そこで従事している日本人に1回1000mgが実際に処方されているケースをみたことがあります。 日本でも2011年2月より、成人の鎮痛における用量が拡大され、1回1000mg、1日4000mgまで使用可能となりました。


従来の用法・用量:1回300-500㎎、1日900-1500mg

新たな用法・用量:1回300-1000㎎、
投与間隔4-6時間以上、1日4000mgまで

これまで、成人で400mg程度を処方して効果がなかったのですが、増量により、片頭痛の鎮痛効果が十分に得られることが期待されます。

その他のアセトアミノフェノンの特徴を述べます。

  1. アセトアミノフェノンの鎮痛作用の機序はまだ明らかではありませんが、 脳に対する中枢作用といわれています。一方、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)は、 末梢でcyclooxygenase(COX プロスタグランジン合成酵素)を阻害し、 プロスタグランジンの生合成を阻害します。このことにより、NSAIDsは、 鎮痛解熱・抗炎症作用を発揮します。
  2. しかし、NSAIDsは、鎮痛解熱・抗炎症作用を発揮するとともに、消化管、腎臓、血小板にも 作用するため、胃粘膜障害、腎機能障害、血小板機能障害などの発現を みることがあります。アセトアミノフェノンは、中枢性に作用し、鎮痛解熱効果を発現しますが、 抗炎症作用はありません。また中枢に作用するため、胃粘膜障害、腎機能障害、 血小板機能障害などが発現することは稀で安全に使用できます。
  3. アセトアミノフェノンの注意事項として、肝機能障害がありますが、これもNSAIDsに比して 頻度は少ないとされています。
  4. 市販の鎮痛剤や風邪薬にはアセトアミノフェノンを含んでいるものが多く、併用する際には細心の注意が必要です。
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OTC頭痛薬(市販頭痛薬)一覧表
2016.06.01更新-2010.02.01

市販薬は、法律的にはOTC医薬品と呼称されています。市販されている一般的な頭痛薬の一覧表を作成しました。その他にいろいろな配合の工夫もあり、詳細は各薬剤の添付文書をごらんください。
薬物乱用頭痛にならないためには1ヶ月に10日以内の服用とすることが肝要です。
成分内容は、1錠当たりまたは1包当たりの量で単位は㎎です。1日量は、最高回数を示しています。
市販薬は、法律的にはOTC医薬品と呼称されています。
市販薬も少しずつ変化しています。と思っていたら、急速に変化しています。バファリンプレミアム、バファリンEX、イブA錠EX、イブクイック頭痛薬DX、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムなど目白押しです。特徴としては、ロキソプロフェンの市販、カフェインや睡眠成分の混合、イブプロフェンの増量などです。効果は増すと考えられますが、薬剤使用過多による頭痛も増加していくものと考えられます。日本頭痛学会形無しというところでしょうか。

製品名販売元1回量1日量アスピリン
アセト
アミノフェン
イブ
プロフェン
エデン
サミド
イソプロ
ピルアン
チピリン
ロキソ
プロフェン
無水
カフェイン
カフェイン
アリル
イソプロ
ピルアセ
チル尿素
ブロム
ワレリル
尿素
バファリンAライオン2錠2回330
バファリンEXライオン1錠2回60
バファリンプレミアムライオン2錠3回65654030
バファリンプラスS
(製造終了)
ライオン2錠2回2501506015
バファリンルナiライオン2錠3回656540
バファリンルナjライオン3回100
バファリンルナ
(製造終了)
ライオン2錠3回65654030
イブA錠エスエス製薬2錠3回754030
イブA錠EXエスエス製薬2錠2回1004030
イブクイック
頭痛薬
エスエス製薬2錠3回754030
イブクイック
頭痛薬DX
エスエス製薬2錠2回1004030
イブエスエス製薬2錠3回75
ナロンエース大正製薬2錠3回724225100
ナロンエースR大正製薬2錠3回724225100
ナロン錠大正製薬2錠3回132.515025100
ナロン顆粒大正製薬1包3回26530050200
大正トンプク大正製薬1包2回30035050200
リングルアイビー佐藤製薬1cap3回150
リングルAP佐藤製薬2錠2回1257525
タイレノールAJ&J1錠3回300
タイレノールFDJ&J2錠3回150
ハッキリエース小林製薬1包3回23023075
ヘデクパウダー平坂製薬1包3回3002006767
メリドンEVJPS2錠3回754030
フェリア顆粒武田製薬1包3回150
ケロリン内外製薬1包2回60060
ケロリンチュアブル内外製薬1錠3回450
サリドンA第一三共1錠3回25015050
サリドンエース第一三共2錠2回11025025
サリドンWi第一三共1錠2回5015050
ニューカイテキZ冨士薬品1包2回30050010060
ニューカイテキA冨士薬品2錠2回1502505030
新セデス錠シオノギ製薬2錠3回802004030
セデスVシオノギ製薬2錠3回802004030
セデスハイシオノギ製薬2錠3回125752530
ノーシン錠アクラス2錠3回1508035
ノーシンホワイト錠アクラス2錠2回15019030
ノーシン散剤アクラス1包3回30012070
ノーシン細粒アクラス1包3回30012070
ノーシン
ホワイト細粒
アクラス1包3回30038060
ノーシンホワイト
ジュニア
アクラス3回33.3
ノーシンピュアアクラス2錠3回754030
小中学生
ノーシンピュア
アクラス3回1002015
オンタイム資生堂2錠3回7540
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OTC頭痛薬について-バファリン-
2016.06.01

OTC医薬品(市販薬)の鎮痛剤も改良されてきています。ここではLIONのHPを参考にバッファリンを紹介します。詳細は各薬剤の添付文書をごらんください。
患者様に鎮痛薬は何を内服されていますかとお尋ねすると、バファリンを飲んでいますとの返事がよくあります。バファリンのなんという種類ですかとお尋ねするとあまり正確なお答えは戻ってきません。
バファリンには、下記のような種類があり、それぞれ特徴が異なっています。つまり、バファリンという同じ名前がついていても、鎮痛成分が異なっており注意が必要です。

バファリンAはアスピリンの単剤です。副作用に胃障害、血小板障害、腎機能障害などがあります。ダイバッファーHTの作用により、アスピリンを早く溶かし、胃粘膜をガードする特徴を有しているそうです。眠くなる成分は入っていません。

バファリンプラスSは2014年3月で製造終了になり、代わりにバファリンプレミアムが販売されています。鎮痛成分が、アスピリンとアセトアミノフェンから、イブプロフェンとアセトアミノフェンに変更になっています。名前の通り、この製品が、これからのLIONさんの主力製品のようです。胃粘膜保護として乾燥水酸化アルミニウムゲルを含有し、速やかに吸収されるように独自の崩壊・溶解技術を開発しています。

バファリンEXが販売されています。鎮痛成分は、ロキソプロフェンです。胃粘膜保護成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル120㎎が用いられています。
キャッチフレーズとして、胃粘膜保護成分が先に溶けて胃を守り、ロキソプロフェンが素早く効くダブルアクション2層錠だそうです。

2012年3月にバファリンルナは製造終了となり、代わりにバファリンルナiが販売されています。睡眠成分を有するアリルイソプロピルアセチル尿素が除かれています。ルナという名前から月→月経をイメージしやすいのではないかと思います。頭痛、生理痛にも効果があるということです。バファリンプレミアムとの鎮痛および鎮痛補助成分の違いは、睡眠成分を有するアリルイソプロピルアセチル尿素の有無の違いとなります。

バファリンルナjは、アセトアミノフェンの単剤です。LIONさんの製品イメージは小児用となっています。

製品名販売元1回量1日量アスピリン
アセト
アミノフェン
イブ
プロフェン
エデン
サミド
イソプロ
ピルアン
チピリン
ロキソ
プロフェン
無水
カフェイン
カフェイン
アリル
イソプロ
ピルアセ
チル尿素
ブロム
ワレリル
尿素
バファリンAライオン2錠2回330
バファリンEXライオン1錠2回60
バファリンプレミアムライオン2錠3回65654030
バファリンプラスS
(製造終了)
ライオン2錠2回2501506015
バファリンルナiライオン2錠3回656540
バファリンルナjライオン3回100
バファリンルナ
(製造終了)
ライオン2錠3回65654030
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OTC頭痛薬について-イブ-
2016.06.01

ここではエスエス製薬のHPを参考にイブAとイブクイック頭痛薬を紹介します。詳細は各薬剤の添付文書をごらんください。
患者様に鎮痛薬は何を内服されていますかとお尋ねすると、イブを飲んでいますとの返事がよくあります。イブAですかイブクイックですかとお尋ねすると比較的正確にお答えしていただいています。

イブA錠イブクイック頭痛薬も主成分は同じです。では、どこが違うのでしょうか。
イブクイック頭痛薬には、酸化マグネシウムが配合されています。この酸化マグネシウムには制酸作用があり、胃酸を中和し鎮痛成分の吸収を促進し、胃粘膜を保護するそうです。
その根拠となった論文から図を示します。
出典は、[イブプロフェン頭痛薬(イブプロフェン配合剤)の薬物動態試験]です。薬剤と医学. vol57.335-342, 2007

イブA錠EXイブクイック頭痛薬DXがイブプロフェンの量が、増量され発売されています。イブックイック頭痛薬DXには酸化マグネシウムが1錠あたり50㎎が配合されて、独自のSDS技術によりイブプロフェンの早い溶出と吸収を実現しているそうです。

頭痛外来をしていた頃、市販のイブA錠2錠(イブプロフェン150㎎含有、これにカフェイン、アリルイソプロピルアセチル尿素を含有と、病院で処方するイソプロフェン200㎎では、患者様にどちらが効きますかと尋ねたことがありますが、市販薬のほうが効果があると答えられた患者様のほうが多いようでした。さて、イブA錠EXやイブクイック頭痛薬DXは、2錠あたりのイブプロフェンが200㎎に増量されています。効果はさらにパワーアップしているでしょうが、長期的には薬剤使用過多による頭痛はどうなるのでしょうか

         
製品名販売元1回量1日量アスピリン
アセト
アミノフェン
イブ
プロフェン
エデン
サミド
イソプロ
ピルアン
チピリン
ロキソ
プロフェン
無水
カフェイン
カフェイン
アリル
イソプロ
ピルアセ
チル尿素
ブロム
ワレリル
尿素
イブA錠エスエス製薬2錠3回754030
イブA錠EXエスエス製薬2錠2回1004030
イブクイック
頭痛薬
エスエス製薬2錠3回754030
イブクイック
頭痛薬DX
エスエス製薬2錠2回1004030
イブエスエス製薬2錠3回75
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OTC頭痛薬について-ロキソニンS-
2016.06.01

ここでは第一三共ヘルスケアのHPを参考にロキソニンSを紹介します。詳細は各薬剤の添付文書をごらんください。
ロキソニンSは、病院から渡されるロキソニンと全く同じです、違いは割線が入っているのが病院からの処方されたもので、割線がないものが市販薬です。第一三共に確認しました。

引き続き、ロキソニンSプラスロキソニンSプレミアムが発売されました。
ロキソニンSプラスは、酸化マグネシウム33.3㎎が配合されています。酸化マグネシウムが、胃酸を中和し胃の負担を軽減するそうです。鎮痛成分の吸収を促進し、胃粘膜を保護するそうです。
発売された順からいうと、イブクイック頭痛薬のほうが先です。

面白いことに、酸化マグネシウムの混合という点では、エスエス製薬参考にし、ロキソニンSプレミアムという命名は、今度は、ライオン(バファリンプレミアム)のnamingを参考にされたようです。ロキソニンSプラスという命名も、ライオン(製造中止となったバファリンプラスS)のnamingを参考にしたのでしょうか。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム100㎎が混合され、ロキソニンSプラスと同様に胃の制酸成分(胃粘膜保護作用)が配合されています。

    
製品名販売元1回量1日量アスピリン
アセト
アミノフェン
イブ
プロフェン
エデン
サミド
イソプロ
ピルアン
チピリン
ロキソ
プロフェン
無水
カフェイン
カフェイン
アリル
イソプロ
ピルアセ
チル尿素
ブロム
ワレリル
尿素
ロキソニンS第一三共1錠2回60
ロキソニンS
プラス
第一三共1錠2回60
ロキソニンS
プレミアム
第一三共1錠2回606050

イブA錠とイブクイック頭痛薬との成分の違いは、酸化マグネシウムの配合の有無です。その他に薬剤の吸収機構などにも差があるのかもしれません。しかし、価格はイブA錠は24錠810円(税込)、イブクイック頭痛薬は20錠1296円(税込)です。ロキソニンSとロキソニンSプラスとの成分の違いは、酸化マグネシウムの配合の有無です。ロキソニンS は12錠648円(税込)、ロキソニンSプラスは12錠698円(税込)です。価格についての考え方は、会社で違うようです、販売作戦でしょうか。因みにロキソニンSプレミアムも12錠698円(税込)です。

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頭痛と漢方
2013/02/01

頭痛の診断・治療は、国際頭痛分類の診断基準及び日本頭痛学会のガイドラインに準じて行っています。しかし、上手くいかない場合もあります。当科では、そういった場合には積極的に漢方治療を併用しています。
私が漢方治療にも取り組むようになったのは、一人の患者様から教えていただいた事がきっかけでした。その患者様は呉茱萸湯の処方を希望されました。呉茱萸湯は効いたようです。ガイドラインに準じた治療で上手くいかない同じような患者様に呉茱萸湯を処方してみると手ごたえを感じました。それ以降、いろいろな漢方治療を併用しています。
私は漢方専門医ではないので、本で勉強したり勉強会に出席したりしています。漢方はある疾患を治療するというよりも、全身のさまざまな症状を治し、その一つが頭痛という印象です。
頭痛以外に、めまいや冷え、体格・腫れなどを考えて漢方薬を処方しています。私がよく使用している漢方薬を下に示します。片頭痛だったら、緊張型頭痛だったら、めまいがあったら、手足の冷え、体格、声の調子、婦人科の問題、年齢などを考えてこの図を作ってみました。
片頭痛に対しては、呉茱萸湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝人参湯、五苓散、当帰芍薬散を主に使用しています。手足の冷えがある患者様には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝人参湯などを選択しています。                          
月経時の頭痛や更年期障害がある場合は、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散などを選択します。これらの選択には、実証・中間証・虚証を参考にしています。めまいを併発されている患者様には、五苓散、半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯などを選択しています。
実証、中間証、虚証の表にカーソルを合わせると、バックグラウンドの色が変わります。

実証 中間証 虚証
【婦人科】

【片頭痛】
桂枝茯苓丸


桂枝人参湯
加味逍遥散
当帰四逆加
呉茱萸生姜湯
当帰芍薬散
呉茱萸湯




【頭痛】
釣藤散
五苓散


葛根湯
苓桂朮甘湯


柴胡桂枝湯
半夏白朮
天麻湯
【緊張型頭痛】

【めまい】

次に漢方薬の成分を示します。漢方薬は副作用がないと考えられがちですが、漢方薬にも副作用はあります。甘草は偽アルドステロン症を呈することがあります。また、麻黄はエフェドリンを含んでおり、心血管系に注意が必要です。その他にも薬疹、肝機能障害、間質性肺炎などに注意が必要な薬剤があります。                   

薬品名 人参 芍薬 柴胡 甘草 桂皮 茯苓 当帰 半夏 沢瀉 蒼朮 白朮 牡丹 桃仁 生姜 麻黄 他の構成成分
呉茱萸湯
呉茱萸、大棗
当帰四逆加
呉茱萸生姜湯
呉茱萸、大棗、細辛、木通
桂枝人参湯
五苓散
猪苓
苓桂朮甘湯
半夏白朮
天麻湯
陳皮、天麻、黄耆、黄柏、麦芽
当帰芍薬散
川芎
加味逍遥散
山梔子、薄荷
桂枝茯苓丸
釣藤散
釣藤鈎、石膏、陳皮、麦門冬、菊花、防風
葛根湯
葛根、大棗
柴胡桂枝湯
黄芩、大棗
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