頭痛とめまいの交差点
2024/11/18更新-2024/02/02

私も年をとってきたので、最後はあまりいろいろなことにとらわれずに自由に考えて行きたいと思っています。
頭痛とめまいの交差点について考えて行きます。
裏のタイトルは、【前庭性片頭痛って何?】です。
私が、佐世保で頭痛外来をやっていた時、お隣が耳鼻咽喉科の外来でした。めまいで必要な方はお隣にお願いしていました。片頭痛とめまい、めまいと片頭痛は一緒にあっていいのではないかなあと思っていました(共存)。下の図のようなイメージです。

   

前庭性片頭痛、どうしてこんな名前?。vestibular migraineを訳すとこうなるのでしょう。
前庭性片頭痛ときくと、前庭系に何かしらの異常があって片頭痛が惹起される疾患を思い浮かべてしまいます。
前庭性片頭痛の診断基準を覗いてみるとどうも違うようです。
前庭性片頭痛は、私が上の図のようにイメージしたものとは、全く異なる一つの疾患として存在するのではないかと思います。

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最初に頭痛の機序をひと通り眺めて、めまいの三大疾患(BPPV、メニエル病、前庭神経炎)と起立性調節障害を表示してみます。

                

片頭痛の発症機序
2024/02/12

代表的な頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛です。最初に片頭痛の発症機序をみてみましょう
1)血管説:前兆は脳血管の局所的な収縮による脳虚血の症状として生じ、これに引き続き脳血管の過剰な拡張により拍動性頭痛が惹起されるという説
2)神経説:CSDのような神経の活動性異常により片頭痛が発現するという説
3)三叉神経血管説:不明の刺激により三叉神経の末端が刺激され、三叉神経末端から神経伝達物質が放出され、硬膜や脳表血管の拡張とともに神経原性炎症(NI)がおこる。他方、三叉神経末端の興奮は求心性線維により三叉神経核から脳幹より上部の痛覚処理系へ伝達される。この際に脳幹内で自律神経系の核との線維連絡により随伴症状が出現するという説
などです。
今は、CGRP関連抗体薬剤がよく用いられています。現在の考え方を示します。

視床下部やCSD(皮質拡延性抑制)などにより、硬膜血管周囲の三叉神経を刺激し、三叉神経血管路が賦活化されます。
一方では、TCC(三叉神経頚髄複合体)を経て、視床へ伝わり、皮質(感覚野や島回、前帯状回)へ伝わります。
一方では、三叉神経末梢(C線維)からCGRPが放出され、血管が拡張し、三叉神経をさらに刺激します。
このようにして片頭痛の負のスパイラルに陥ります。

   
説明
三叉神経終末(C線維)からは、CGRPが放出されます。

一方では、嘔気・嘔吐などの自律神経症状も伴うようにり、疼痛のネットワークにも入り込んでしまい、情動や疼痛抑制系に関係していることが推測されます

                        

下記に示すRCVSを考える中で、片頭痛の発症機序にも自説が芽生えました。RCVSも片頭痛も同じようなもので、重症がRCVS、中等症から軽症が片頭痛とする考え方で扁桃体仮説です。

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RCVSの発症機序
2024/02/12

RCVSは、頭痛の三大疾患(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)と異なる疾患ですが、私はこの疾患に興味を持っています。
RCVSの発症機序については自説があります。扁桃体仮説です。

入浴・シャワーで生じるRCVSです。
詳しくは、トップページから、RCVSへ入り、【真夏の夜の夢】をご覧ください。
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緊張型頭痛の発症機序
2024/02/12

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群発頭痛の発症機序
2024/02/12

群発頭痛の発症機序についても自説があるのですが、中枢性仮説です。
詳しくは、トップページから群発頭痛病態再考に入り、ご覧ください。

   
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めまいの発症機序
2024/02/12

めまいは、定義自体がむつかしいですね。

空間識(spatial orientation)は、前庭感覚,視覚,体性感覚(主として深部感覚)の3種類の感覚情報を脳内(中枢神経系)で統合して得られます。
めまいは,これらの感覚情報のミスマッチにより、空間を正しく把握できないために生じる異常感覚と定義されます。
めまいは、前庭感覚、視覚、体性感覚のどこに異常があって生じるそうです。
視覚や体性感覚の異常は、見えにくさやしびれなどに気づくことが多く、ほとんどのめまいは前庭感覚の異常に起因します。
前庭感覚は、受容器(半規管と耳石器)のある内耳から脳幹の前庭神経核に伝えられ,小脳による調整を受け、上行し大脳に到達します。

前庭神経核の出力や入力をみてみます。眼筋運動神経核への出力は省いています。
視床や大脳皮質などへの入出力も完成していません。

めまいの三大疾患は、BPPV、メニエル病、前庭神経炎です。いずれも、三半規管や前庭などの内耳に原因があります。もうひとつ、めまい・ふらつきをきたす疾患として起立性調節障害があります。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                       
疾患 原因 診断に直結する検査誘因
BPPV 耳石頭位変換眼振検査女性 年齢 骨粗鬆症 外傷など
メニエル病 内リンパ水腫Gd MRIストレス 事務職
前庭神経炎 ウィルス?直結する検査はない
起立性調節障害 不明シェロングテスト
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